Ⅳ.Q&A

このQ&Aは、会員からの質問についてお答えするものです。

1.嚥下調整食とFOIS(Functional Oral Intake Scale)を対応させてはどうでしょうか?
2.窒息を回避する摂食嚥下障害の基準を定めてほしい。
3.お薬はどうやって飲めばいいでしょうか?
4.コード0ではたんぱく質含量が少ないものとされていますが、その理由を教えてください。
5.ドリンクゼリーで、とろみ付き液体(薄めのとろみ)の中にゼリーが混ざっているものはどう考えたらよいでしょうか?
6.付着性が高くないミキサー粥とはどういうことですか?
7.離水のない粥とはどういう意味でしょうか?
8.コード2―1、2―2を作り分けしている施設は少なく、実際に分類することは難しいと思いますが、2つに分ける必要性はありますか?
9.コード2―2の調理法の規定を定めてほしい。
10.嚥下訓練の際に、コード2―2とコード3の差が大きいと感じます.コード2―2について、不均質な粒の概念を大きくしてはどうでしょうか?
11.コード3を食卓でマッシュ(つぶす)すればコード2になりますか?
12.刻み食にあんかけしたものは、どの段階に入りますか?
13.コード4を、主に嚥下機能低下に合わせた食事と主に咀嚼機能低下に合わせた食事の2つに分けてはどうでしょうか?
14.水分のとろみは濃いほうがいいのでしょうか?
15.「とろみ基準」を薄い、中間、濃い、以外に極薄いを設けてはどうでしょうか?
16.牛乳や濃厚流動食、経腸栄養剤のとろみは、どのように評価したらよいですか?

  1. 嚥下調整食とFOIS(Functional Oral Intake Scale)を対応させてはどうでしょうか?
    嚥下調整食をどのように食べさせるか(体幹角度や、介助の有無、使用するリハビリテーション手技など)により、どのくらい経口摂取ができるかは変化します。現時点では、嚥下調整食と摂食嚥下障害の重症度を示すFOIS やFILS(Food Intake Level Scale)と明確に対応づけことは難しいと考えています。

  2. 窒息を回避する摂食嚥下障害の基準を定めてほしい。
    窒息を回避する摂食嚥下障害の基準を明確に定めることは難しいと考えます。口腔機能や咽頭機能を評価し、適切な食事形態を選択した上で、窒息のリスクを回避するためには、覚醒度の変動や認知機能にも配慮する必要があります。特に、認知症、精神疾患、高次脳機能障害など摂食行動の異常(ペーシング、溜め込み、詰め込み、咀嚼を必要とする食品の丸のみなど)を認める場合は、いかなる食事形態であっても窒息のリスクは生じうるため、より安全な食事形態の選択を検討するとともに摂食場面の観察を十分に行うことが重要です。

  3. お薬はどうやって飲めばいいでしょうか?
    お薬を水で内服する、という動作は、サラサラの水と小さい錠剤という違う物性のものを同時に操作しようとしますので、難しい課題です。また、つい、顎を上げて飲もうとする(頸部伸展位)など、誤嚥しやすい条件がそろっています。基本的な注意点としては、あらかじめ口腔内を湿潤させる、顎を上げない、複数の(剤形の)薬を同時に飲まないなどがあります。
    サラサラの水と一緒に飲むのが難しい症例では、飲み込みやすいものにくるんで内服するという手法があります。古くは粥など、あるいはヨーグルトなどですが、専用に嚥下補助ゼリーとして市販されているものもあります。水にとろみを付ける、オブラートに包んでからその包み全体を濡らす(ゼリー状になる)、などの方法もあります。
    なおOD錠やとろみ水や嚥下補助ゼリーで飲むと、崩壊せずに薬が吸収されにくくなる場合があることが報告されています。薬の効果が不十分であると考えられる場合には、このような機序もあることを理解しておく必要があると思われます。
    一方で、薬剤自体の飲み込みやすさについても再検討の余地があります。大きいものよりも小さい剤形、あるいは飲みにくいからといって粉砕するとかえって操作しにくいので、割錠程度がよいこともあります。あえて何かと飲み込まなくてもよいように、口腔内崩壊、シロップ(液剤)、ドロップ・チュアブルタイプ、より嚥下障害者に適したゼリー型製剤、などの選択肢もあります。さらには、貼付剤や坐薬への変更という手段もあります。経管栄養のチューブから薬を入れる場合には、単に粉末にするよりも、溶けやすい顆粒状を選択したり、錠剤やカプセルのままお湯に溶かす、簡易懸濁法があります。

  4. コード0ではたんぱく質含量が少ないものとされていますが、その理由を教えてください。
    コード0の対象者は、誤嚥のリスクが高く、臨床経験上から、誤嚥した際の組織反応や感染を考慮し、たんぱく質含有量の少ないものとしました。しかし、その他の有機物を誤嚥した場合も含めて明確なエビデンスを示した論文はありません。また、バクテリア繁殖などが起こらないように、作成や保存時には注意してください。

  5. ドリンクゼリーで、とろみ付き液体(薄めのとろみ)の中にゼリーが混ざっているものはどう考えたらよいでしょうか?
    あえて表記すれば、0jtとすることもできるかもしれません。ゼリー飲料(ドリンクゼリー)は、嚥下障害者用の商品から一般的消費者を対象とした商品まで幅が広く、離水の量やゼリーのかたさ、離水部分の粘度にもさまざまな商品があります。したがって、解説文では、「ゼリー飲料全般についての難易度や危険性については、おおむね薄いとろみに近いものとして扱うこととする」としています。解説文に記載してあるように、「臨床適用にあたっては個別の検討が必要」です。物性によっては、中間のとろみに該当するものもあり、学会分類2021(食事)のコード0t やコード1t、コード2―1に用いることができるものがあります。
    ゼリー飲料については、物性の測定方法やその嚥下難易度についての知見がまだ十分には蓄積されていないため、今後の研究が待たれるところです。

  6. 付着性が高くないミキサー粥とはどういうことですか?
    粥をミキサーにかけると、糊状となり、時間と共に付着性が増します。このようなミキサー粥は送り込みづらいだけでなく、咽頭に残留するなど嚥下しにくく、難易度が高いため、嚥下調整食としては適切ではありません。
    この付着性は粥のでんぷんによるものですので、でんぷん分解酵素(a―アミラーゼ)を粥に作用させて、粥のでんぷんを分解してから、ミキサーにかけると付着性が高くなりません。
    ただし、酵素を作用させてミキサーにかけるだけではサラサラの液状になってしまいますので、ゼリー状にする製品(例えば市販のゲル化剤)を用いて、適切な状態に調整する必要があります。酵素単体だけでなく、酵素を含んだゲル化剤も市販されています。添加量などの使用方法は、各社の説明書にしたがってください。

  7. 離水のない粥とはどういう意味でしょうか?
    食べ始めには遊離した水分がない全粥でも、食事中に離水してくることがあります。これは唾液中に含まれているでんぷん分解酵素のa―アミラーゼが、スプーンなどの食具を介して粥に作用するためです。摂食に時間がかかる場合には、この離水が進み、コード2からコード4まで変化します。そのようなときには、粥を少しずつ取り分けて、粥に唾液が混じらないようにする工夫が必要です。
    あるいは、粥にとろみ調整剤を添加しておくと、唾液の混入により離水した水分にもとろみが付き、大きな性状の変化はみられません。また、市販されているでんぷん分解酵素をあらかじめ粥に作用させてでんぷんを分解し、ゼリー状にする製品(例えば市販のゲル化剤)を用いて適切な状態に調整しておくと、食事中の離水を防ぐことができます。

  8. コード2―1、2―2を作り分けしている施設は少なく、実際に分類することは難しいと思いますが、2つに分ける必要性はありますか?
    学会分類2013は嚥下訓練食としてゼリー(0J)ととろみ(0t)の水を示しています。とろみ水の次の段階としてコード2を想定しています。とろみ水が飲めた人が次の段階に上がる場合、コード2を食べる際に不均質なコード2―2ではリスクが高いと考えます。そこで不均質なコード2―2の前に均質なコード2―1 を1 段階入れて、2つに分けています。

  9. コード2―2の調理法の規定を定めてほしい。
    均質(コード2―1)と不均質(コード2―2)の分離には600mのメッシュを通すことを報告しています14)。また、料理の作成方法については学会のホームページで動画を配信していく予定です。

  10. 嚥下訓練の際に、コード2―2とコード3の差が大きいと感じます。コード2―2について、不均質な粒の概念を大きくしてはどうでしょうか?
    コード2は嚥下訓練食ではなく、嚥下調整食であくまでも食事です。コード2を食べながら、次の食段階をテストすることもあります。全部の食事を一度に変えてしまうのではなく、コード2とコード3を混在させることで回復を促していくことができると考えています。

  11. コード3を食卓でマッシュ(つぶす)すればコード2になりますか?
    マッシュするだけでコード2になるものは、コード3にはほとんどありません。コード2には、なめらかさが必要です。また、マッシュによりできた小片が十分に小さく、やわらかく、そのまま飲み込むことができなければ、コード2に該当しません。そのため、例えば均質な液状のものをゲル化剤で固形化したコード3であれば、十分なマッシュによりコード2になる可能性はあります。しかし、コード3では均質性は求められておらず、むしろ食感による味わいを得るために不均質なほうが好ましいと考えています。したがって、コード3を食卓でマッシュすることによりコード2に調整することは、現実的ではありません。

  12. 刻み食にあんかけしたものは、どの段階に入りますか?
    十分にやわらかいものを小さく刻んだりほぐしたりしたものに、中間のとろみあるいは濃いとろみ程度のあんをかけたものは、コード3あるいは4に該当します。コード2―2には該当しません。刻んだものが舌と口蓋で押しつぶすことができるものはコード3、上下の歯槽堤間で押しつぶすことができるものはコード4です。なお、刻んだものが上下の歯槽堤間で押しつぶすことができないほどかたいものや、あんのとろみの程度が薄すぎるものは、嚥下調整食としては適切ではありません。
    本来、「刻み」や「ミキサー」という呼称は、調理手技に過ぎません。あくまでも、できあがったものの物性で判断すべきであると考えています。

  13. コード4を、主に嚥下機能低下に合わせた食事と主に咀嚼機能低下に合わせた食事の2つに分けてはどうでしょうか?
    コード4はあくまで口腔内での処理を前提としているため、新たに2つに分類する必要はなく、分類が増えることで煩雑となり、現場レベルの混乱を招くことが想定されます。コード4に該当する方は、咀嚼機能低下に対して配慮した調理方法を行うことによって嚥下機能の補正を行うことができることからも2つに分類せず現行のままで良いと考えます。

  14. 水分のとろみは濃いほうがいいのでしょうか?
    とろみの程度が強いと、味が劣化して嫌がられたり、全体の摂取量は少なくなったりします。また、使用したとろみ調整食品の種類によっては、べたつきが強くなり、飲み込みにくくなることもあります。その症例に適した、とろみの程度を選択するようにしてください。
    また、食事の際の汁物のとろみは、機能回復の比較的後の段階まで必要であることが多いですが、食間の飲水については、より早期にとろみなしを許可できる可能性もあります15)。
    なお、とろみを付けても汁物が危険な人の場合でも、経口からの摂取が不可欠な内服薬の服薬のための少量のとろみ水は、注意深い場面での摂取が可能であること、少量であるため、誤嚥した場合に肺炎の惹起因子となりうる栄養成分が少ないことなどから、許可される場合があります。

  15. 「とろみ基準」を薄い、中間、濃い、以外に極薄いを設けてはどうでしょうか?
    現行の3段階の「とろみ基準」をもとに、各施設で更に細かなとろみの濃度を設定されている場合もあるかと思います。しかし、例えば「極薄い」とされているとろみ水でも、LST法で計測すると、現行の3段階(この場合は薄いとろみ)の範疇に含まれる場合が多いのではないでしょうか。基準が増えることで煩雑となり、現場レベルの混乱も招きかねます。よって、委員会としては現行の3段階での運用を継続し、より細かな濃度の設定が必要な場合は各施設で規定していただく運用を推奨したいと考えます。

  16. 牛乳や濃厚流動食、経腸栄養剤のとろみは、どのように評価したらよいですか?
    これらのとろみの程度も、飲んだ時、見た時の性状により評価することができます。ただし、飲んだ時の評価は、味や含まれる成分の影響を受けやすいので、見た時の評価と合わせ確認をしてください。また、学会分類2021で新たに追加したシリンジ法は飲料の影響を受けにくい評価方法です。薄いとろみ程度であれば、シリンジ法の残存量を確認する方法もおすすめです。なお、これらの飲料にとろみ調整食品でとろみをつける場合は、安定的なとろみがつくまで時間がかかったり、ほかの飲料ととろみのつき方が異なったりします。飲む時点のとろみを評価するようにしてください。

2022年11月14日 Q&A追加

追加1. 学会分類2021(食事)の物性測定値について、「学会分類2021(食事)では、対応する既存の段階的分類を明示しており、それらの物性測定値で基準をしめしているものもあるため、物性測定値についてはそれらを参考とすることができる。」とありますが、学会分類コード4にあてはめる場合、UDF区分の物性規格にあてはまっていれば、問題がないと考えて間違いないですか。
追加2. 自社製品のパンフレット等に学会分類2021の一部を引用する場合の手続きを教えてください。
追加3. 学会分類で使用している粘度測定機と異なる機器で測定した場合、どのように表記したらよいですか。
追加4. 本文に「キサンタンガム系と挙動の異なるとろみ調整食品によりとろみ付けしたものや,・・・・・では検討を行っていないため,それらの値の取り扱いに注意をされたい.」とありますが、キサンタンガムに別の増粘剤を加えて作成した飲料も学会分類で表記できますか。
追加5. 粘度の幅が結構あるように感じますが、どの時間経過(作り立て~賞味期限切れるまで)でもこの範囲内に収まっていれば問題ないでしょうか。
追加6. 温度の違いでとろみの基準もかわりますか。
追加7. 食事コード1ととろみの関係について教えてください。
追加8. 食事コード2ととろみの関係について教えてください。

  • UDFとの比較

追加1
学会分類2021(食事)の物性測定値について、「学会分類2021(食事)では、対応する既存の段階的分類を明示しており、それらの物性測定値で基準をしめしているものもあるため、物性測定値についてはそれらを参考とすることができる。」とありますが、学会分類コード4にあてはめる場合、UDF区分の物性規格にあてはまっていれば、問題がないと考えて間違いないですか。
UDFと学会分類の互換表から

舌でつぶせるは コード3、コード4相当
歯茎でつぶせるは コード4相当
容易にかめる 一部のみコード4相当 大部分は基準外 です。

上記から、コード4相当と記載できるのは、「歯茎でつぶせる」のみです。コード4相当 と記載し、UDFとの互換表より記載としてください。

  • 企業製品への引用

追加2
自社製品のパンフレット等に学会分類2021の一部を引用する場合の手続きを教えてください。
引用した図表の下部へ以下の一文を追記してください。
「『日摂食嚥下リハ会誌25(2):135-149, 2021』 または 日本摂食嚥下リハ学会HPホームページ: https://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/classification2021-manual.pdf 『嚥下調整食学会分類2021』 を必ずご参照ください。」
表の文言を改変したり、自社製品例を表の右側に付け加えたりする場合には、「表を自社で改変した」旨を明記し、「表の理解にあたっては『嚥下調整食学会分類2021』の本文をお読みいただきたい」旨もあわせて記載してください。

  • とろみ粘度測定

追加3
学会分類で使用している粘度測定機と異なる機器で測定した場合、どのように表記したらよいですか。
学会分類の粘度測定は、コーンプレート型粘度計を使用し、ずり速度50-sで測定しています。測定条件等の詳細は論文に記載していますので確認ください。
異なる形式の粘度計や測定条件(ずり速度など)が異なる場合は、学会分類の粘度値との比較はできません。

追加4
本文に「キサンタンガム系と挙動の異なるとろみ調整食品によりとろみ付けしたものや,・・・・・では検討を行っていないため,それらの値の取り扱いに注意をされたい.」とありますが、キサンタンガムに別の増粘剤を加えて作成した飲料も学会分類で表記できますか。
学会分類を作成した粘度測定方法(コーンプレート型粘度計使用)で、学会が定めた粘度値に入れば表記しても問題ありません。

追加5
粘度の幅が結構あるように感じますが、どの時間経過(作り立て~賞味期限切れるまで)でもこの範囲内に収まっていれば問題ないでしょうか。
対象者が飲む時点での粘度を想定しています。

追加6
温度の違いでとろみの基準もかわりますか。
一般的には、同濃度のとろみの場合、品温が高ければ粘度が低く、品温が低ければ粘度は高くなります。そのため、温かいお茶などは、冷めてくると粘度が高くなると考えられます。このことから、温度により分類が変わるということはあり得ます。

  • とろみと食事

追加7
食事コード1ととろみの関係について教えてください。
コード番号は必ずしも、すべての症例で難易度と一致するものではありません。
コード0tはとろみ水ですが、コード1jが適切な方が全例0tが安全とは限りません。
また、とろみの程度によっては、ということがあり得ます。
その方のとろみの安全性と適切なとろみの強さについては個別にご検討ください。

追加8
食事コード2ととろみの関係について教えてください。
コード番号は必ずしも、すべての症例で難易度と一致するものではありません。コードの数字の大小を参考に、個々の症例でその時点での最も適切な食形態ととろみを検討していただければと思います。食事がコード2の方であれば、とろみは3段階のうちどれでもに当てはまる可能性があります。いっぽうで、例えば、常食を喫食しているかたであっても、お茶には薄いとろみをつけたほうがふさわしい方もいます。

2024年3月1日 Q&A追加

追加1. 学会分類2021(食事)の物性測定値について、「学会分類2021(食事)では、対応する既存の段階的分類を明示しており、それらの物性測定値で基準をしめしているものもあるため、物性測定値についてはそれらを参考とすることができる。」とありますが、学会分類コード4にあてはめる場合、UDF区分の物性規格にあてはまっていれば、問題がないと考えて間違いないですか。
追加2. 自社製品のパンフレット等に学会分類2021の一部を引用する場合の手続きを教えてください。
追加3. 学会分類で使用している粘度測定機と異なる機器で測定した場合、どのように表記したらよいですか。
追加4. 本文に「キサンタンガム系と挙動の異なるとろみ調整食品によりとろみ付けしたものや、・・・・・では検討を行っていないため、それらの値の取り扱いに注意をされたい。」とありますが、キサンタンガムに別の増粘剤を加えて作成した飲料も学会分類で表記できますか。
追加5. 粘度の幅が結構あるように感じますが、どの時間経過(作り立て~賞味期限切れるまで)でもこの範囲内に収まっていれば問題ないでしょうか。
追加6. 温度の違いでとろみの基準もかわりますか。
追加7. 食事コード1ととろみの関係について教えてください。
追加8. 食事コード2ととろみの関係について教えてください。
追加9. 「薄いとろみのオレンジジュース」がどのコードに入るか教えて下さい。

  • UDFとの比較

追加1
学会分類2021(食事)の物性測定値について、「学会分類2021(食事)では、対応する既存の段階的分類を明示しており、それらの物性測定値で基準をしめしているものもあるため、物性測定値についてはそれらを参考とすることができる。」とありますが、学会分類コード4にあてはめる場合、UDF区分の物性規格にあてはまっていれば、問題がないと考えて間違いないですか。
UDFと学会分類の互換表から

舌でつぶせる はコード3、コード4 相当
歯茎でつぶせる は コード4相当
容易にかめる 一部のみコード4相当 大部分は基準外 です。

上記から、コード4相当と記載できるのは、「歯茎でつぶせる」のみです。コード4相当 と記載し、UDFとの互換表より記載としてください。

  • 企業製品への引用

追加2
自社製品のパンフレット等に学会分類2021の一部を引用する場合の手続きを教えてください。
引用した図表の下部へ以下の一文を追記してください。
「『日摂食嚥下リハ会誌25(2):135-149、 2021』 または 日本摂食嚥下リハ学会HPホームページ:https://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/classification2021-manual.pdf 『嚥下調整食学会分類2021』 を必ずご参照ください。」
表の文言を改変したり、自社製品例を表の右側に付け加えたりする場合には、「表を自社で改変した」旨を明記し、「表の理解にあたっては『嚥下調整食学会分類2021』の本文をお読みいただきたい」旨もあわせて記載してください。

  • とろみ粘度測定

追加3
学会分類で使用している粘度測定機と異なる機器で測定した場合、どのように表記したらよいですか。
学会分類の粘度測定は、コーンプレート型粘度計を使用し、ずり速度50-sで測定しています。測定条件等の詳細は論文に記載していますので確認ください。
異なる形式の粘度計や測定条件(ずり速度など)が異なる場合は、学会分類の粘度値との比較はできません。

追加4
本文に「キサンタンガム系と挙動の異なるとろみ調整食品によりとろみ付けしたものや、・・・・・では検討を行っていないため、それらの値の取り扱いに注意をされたい。」とありますが、キサンタンガムに別の増粘剤を加えて作成した飲料も学会分類で表記できますか。
学会分類を作成した粘度測定方法(コーンプレート型粘度計使用)で、学会が定めた粘度値に入れば表記しても問題ありません。

追加5
粘度の幅が結構あるように感じますが、どの時間経過(作り立て~賞味期限切れるまで)でもこの範囲内に収まっていれば問題ないでしょうか。
対象者が飲む時点での粘度を想定しています。

追加6
温度の違いでとろみの基準もかわりますか。
一般的には、同濃度のとろみの場合、品温が高ければ粘度が低く、品温が低ければ粘度は高くなります。そのため、温かいお茶などは、冷めてくると粘度が高くなると考えられます。このことから、温度により分類が変わるということはあり得ます。

  • とろみと食事

追加7
食事コード1ととろみの関係について教えてください。
コード番号は必ずしも、すべての症例で難易度と一致するものではありません。
コード0tはとろみ水ですが、コード1jが適切な方が全例0tが安全とは限りません。
また、とろみの程度によっては、ということがあり得ます。
その方のとろみの安全性と適切なとろみの強さについては個別にご検討ください。

追加8
食事コード2ととろみの関係について教えてください。
コード番号は必ずしも、すべての症例で難易度と一致するものではありません。コードの数字の大小を参考に、個々の症例でその時点での最も適切な食形態ととろみを検討していただければと思います。食事がコード2の方であれば、とろみは3段階のうちどれでもに当てはまる可能性があります。いっぽうで、例えば、常食を喫食しているかたであっても、お茶には薄いとろみをつけたほうがふさわしい方もいます。

追加9
「薄いとろみのオレンジジュース」がどのコードに入るか教えて下さい。
水分を食品のコードに当てはめるという考えはしない(捨てていただく)方が良いかと思います。
そもそも水分と固形物の摂取法(嚥下法)はおしつぶしや咀嚼の有無、嚥下時の咬合の位置などが異なります。
液体はコードに入れないというのが学会分類2013、2021の基本になります。国際分類であるIDDSI(The International Dysphagia Diet Standardisation Initiative )も両者を分けています。
ただし、とろみのついた液体でもeatableであるものは、固形食品の段階の一つの端に位置づけられるのは、IDDSIでも同様です。学会分類2013、2021ではeatableである濃いめのとろみおよびぎりぎり中間とろみは0tとしてOKとしています。
それ以外の液体については、コードには該当しません。コードの適用外です。本来、別物と考えたほうが良いと思います。
臨床的には、普通食(軟菜)、あるいはコード4やコード3を摂食している人でであっても、水分にはとろみをつける必要がある人がいます。水分は別に考えて対応する必要があるかと思います。